株式会社インフィニティループ 代表取締役 杢代勇蔵の生き方・働き方

この世界は『自分に向いている』と思った
答えを導き出すための方法を探る探求心、ものごとを理論立て説明する

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私たちインフィニティループは、業務系WEBシステムの開発を中心に、ホームページ制作やITコンサルタント事業を行っております。

会社の特徴と言えば、社員同士の仲がよく、繋がりが濃いということが挙げられます。理念に謳っているとおり「人の輪-人との繋がり」ということですね。そういうことは会社のイベントや社員旅行、月1回の飲み会とか、そんな場面で強く感じています。

私はコンピュータ関連の会社に新卒で入社しましたが、もともと大学時代にパソコンを触ったことが一切なく、入社した会社の研修で初めてパソコンに触ったという感じなのです。他にも私と同じような新入社員はいましたが、これは時代性もあるかもしれませんね。今の学生は学校でパソコンを選択専攻してプログラムの勉強もしてくるケースも多いと思いますが、私の記憶だと、私の学生時代はそういう機会がそれほどなかったように思います。

ほんとは教師になりたかったのです。しかし、当時の教員採用の状況は専任ではなく臨時の募集が多かった、現在で言えば、契約社員みたいなものですね。でも、私はきちんと正社員として働きたいという気持ちがあったので、教員の道はあきらめました。それで、大学では物理学科を専攻しましたが、学科の先輩たちが進んでいた仕事先の一つにIT業界があったので、入ってみようと思ったわけです。

やってみて、個人的にはこの世界は自分に向いているなと思いました。

答えを導き出すための方法を探ると言いますか、カッコ良く言えば「探求心」と言いますか、そういうことがわりと強い方だったと思います。やっぱり周りの人達に負けたくないという気持ちはありましたから、資質が合っているのはよかったですね。
ものごとを理論立てる、そういう話を説明するのも嫌いではありませんし。そもそも子供のころから数学や理科が得意で、わりと早くから理系であることは意識していました。

入社1年目のころは、コンピュータの世界が楽しくて、終業後、自宅で仕事とは関係ないプログラムを作ったりもしていました。

社会人2年目に転職しましたが、その2社目に入社させていただいた会社さんが、いわゆるベンチャー企業と言いますか、少数精鋭で、お客様は大きな会社さんが相手でした。私と同時に入社された五つほど先輩もおられたのですが、ある大企業の仕事をどちらかが担当するように言われた時、私はこの業界そのものがまだ2年目だったので当然一歩下がっていましたが、結局その方が手を挙げられなかったので、「私にやらせてください」と申し出ました。その大手の部長さんとさまざまお話したり打合せをして、会社に戻ってプログラムを作って検証して納品ということを繰り返していました。今考えると、すごくハードルの高い仕事をやらせていただいていたなぁと思います、いっぱい怒られましたが、自分自身にとって大変勉強させていただいた得難い経験でした。

で、この2社目の会社への入社を大学の友人に薦めまして、彼も誘いに乗ってくれました。ところが、彼に来てもらって半年ほどたった時でしたか、そこの経営が上手くいかなくなったのです。お客様はその会社がつぶれるということよりも、自分達が使っているシステムがどうなるのか、それをすごく心配されていたので、そのまま私が引き続き手掛けていきたいと思い、このタイミングで、その大学の友人と会社を立ち上げました。

私自身は良くして頂いたお客様の仕事をどうにかして続けたいという気持ちでいっぱいでした。

2003年にインフィニティループを創業して、10年を超えましたね。
思い返すと、いろんなことがありましたね…(笑)。

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周囲の『支え』によって自分が在る
人々との「出会い」に対する気持ちが私自身を非常に変えた

自分はすごく出来るとか、絶対成功してやるとか、若い時はどちらかと言うと「自分」を中心に考えますよね、その気持ちはなくなっているわけではありませんが、でも、今は周りの人に「支えられて」自分の会社が動いて行っているということを強く感じています。

私は石橋をたたいて渡るタイプの人間ですが、それでもくじけそうになったり、本当に辞めてしまいたいと思うようなこともありました。そのピンチと言うか辛い時に声を掛けてくれるのは友人であったり、経営者仲間であったり、そして社員たちだったのです。そういう周りの人の「支え」によって自分が在るのだな、と思わされています。

「こんなことで負けないでください」…と言われたことが自分の中にすごく残っていますね。そういう、人々との「出会い」に対する気持ちが私自身を非常に変えてきましたし、辛いとき・大変なときを支えてくださったそれらの人々を幸せにしたいですね。

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作ることを『楽しむ』
自分が作ったものを世界の中の誰かが使っている

仕事で大事にしていることは、仕事を「楽しむ」ということです。
極端な話、昔は仕事でお金を得るという感じでしたけどね。(笑)

仕事における楽しみ…私の場合、プログラムを書いている時はほんとうに楽しいし、そのシステムを運用していくことはすごく楽しいです。

また、先日もあったことですが、お客様に投げかけられた問題をどう解決しようかと考えるのがすごく面白い、と言うか、楽しい。で、結果、求められているものをプログラム化してシステム化して、納品していく。それで先方の社長さんに「このボタンを押すことが楽しいよ…」と言われたりすると、導入して、ほんとうに良かったなと思います。

自分が作ったものを世界の中の誰かが使っている…という思い、そして、それであれば使ってくれる人のためにきちんと作りたいという思い、があります。

そういう価値観と言うか、感性をどのように磨いていくか。
まず第一には、社員にもよく言うのですが「使っている人の気持ちになりなさい」ということです。

なんでもものを作る上では仕様書は欠かせません。それは我々サイドの設計書としては正しいかもしれないけれど、しかし、それが使い手にとって正しいかどうか、そういう疑問を持ちつつ進めるほうがいいのではないか、と思います。

どうしても我々は、自分の担当したある部分だけに掛かりきりになりがちなんです。でも、このシステムがなんために必要なのか、このシステムの特性はなんなのか、どのようにお客様が使うのか…そうした全体を見ながらやることが重要なんであって、スピードを求められているのか、正確さを求められているのか、それはどのレベルのものなのか、それらはケース バイ ケース、おのおの異なっていますからね。

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技術を追求し、地域へ『貢献』する
IT部門を持たない企業へのコンサルティングサービスを提供

現在は業務系WEBシステムの開発がメインですが、最近始めているのが、我が社がある八王子市内で、専門的にIT部門を社内にお持ちでない会社のコンサルティングを行っています。

コンサルティングとは、例えば、現状、自分達がどういうネットワーク環境でインターネット接続ができているのか理解されていないお客様が多いので、まず環境を調べ、実際に払っている費用が妥当かどうかの調査をします。
また、最近どこの会社さんもホームページを持たれていますが、ホームページ自体を作ってそれで終わりにしているところが多いものです。それを、より効果的・効率的なものに変化を加えていくサポートをしています。なかにはシステムを導入することによって業務が円滑になるようなプログラムを作って欲しいという要望もあり、それに対してお応えしたりもします。

基本的には出来ることは全般的になんでもやらせてもらっていますが、当然、専門的に不可能な部分、例えば複合機の導入などの場合には繋がりのある大手さんに話を通してさしあげる、というようになります。そのお客様にとっていい提案であれば必ずしも我が社だけでやる必要はないと思っています。ですから、お客様にメリットがあることであれば我が社に出来ないようなことであっても提案させていただいています。

コンサルティングを手掛け始めたきっかけは、さきほどお話した経営者仲間で困っている方々がおられましたし、八王子IT協同組合に所属している関係で八王子市様と仕事をすることが多いのですが、その中で地元の活性化の話をよく聞きますので、自分なりに少しでもそれの一助としてなにか出来ないか、ということです。 インフィニティループは創業時新宿に会社を構えたのですが、出身地の地元八王子で何かやりたいという気持ちもあったものですから、本社を移転しました。

WEBシステムと言うのは、常に新しい技術が入ってくる業界なので、それを追いかけていくことは間違いありません。ただ、私たち自身、業界人でも新しい技術を追いかけていくことは大変なことです。と言うことは、ITを専門にしていない会社様にとってはどんどんハードルが上がっていくという意味でもあります。なので、我々が追及した新しい技術を噛み砕いて、それを提案していくシーンは増えていくと思います。

自らの新しい技術の追求、それをお客さまに還元する、その両方とも伸ばしていきたいと思っています。

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大変だったら手を差し伸べる、
『普通のこと』だと思います
話しやすい体制や環境を作り、お互いが支え合っているという意識を持つ

社内では、社員の話をできるだけ聞けるような体制や環境作りを心掛けています。

法政大学の坂本光司先生のご著書を拝読したあと、会社のメリット・デメリットを全員で洗い出すことをやったことがあります。メリットはそのまま残していっていいとして、じゃあ、デメリットをどう吸収していけばいいのか…たくさんデメリットが出てきましたが、「その問題であれば☆☆さんが話しやすいな」とか「それだったら◎◎さんに相談したほうがいいな」などと、解決する方策としていくつかの道筋があれば社員が選択しやすくなるのではないか…話しかける内容によって上司も変わって来るのではないか…そんな考えから、1人の社員に対して2人の上司を付けるということをやっています。現実には、1グループに2人上司を置くという形です。これは一時的な試みで終わらせるのではなく、大切に継続していくようになるでしょう。

いずれにしても、これも話しやすい環境作りを目指していることの一環です。

メリットに挙がった主なことは、

・自由度が高い。
・皆キャラが違うのに、チームワークが良い。
・女性に優しい会社である。
・ほぼ全員がコミュニケーションを意識している。
・遊びを真剣に楽しむ。
・協力会社や家族を含め仲間を大切にする。
・残業が少ない。

やらなければならない時というのもありますが、基本的には「早く帰りなさい」と言っていますし、メリハリを付けて働きなさいと言っています。

仕事ですので当然個々に於ける内容の軽重に差はあります。
AさんとBさんを比べたらBさんの方が大変な仕事を抱えているというケースの時に、AさんがBさんを助ける行動を取れば、逆転した状況の時にBさんはAさんを助けるだろう、そうしてもらえるように行動しなさい、という話はしています。

どんな仕事でも、大変だったら手を差し伸べる、普通のことだと思います。

また、もちろん、緊急なこと、例えばご不幸とか、そうしたことが発生したら周りのメンバーがフォローしますよね、皆、お互いが支え合っているという意識を持つことですよね。

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大切にしている『3つの輪』
人の輪・信頼の輪・共生の輪

私たちが大切にしている企業理念として、「3つの輪」があります。

一つ目は「人の輪」です。
人と人との繋がり、私は学生時代からそれを大切にしてきましたから、これを一番に掲げました。

二つ目は「信頼の輪」。
繋がりがあっても嘘をついたり、嫌われるような行動を取れば、縁は終わっていくと思うので、信頼されるように自分が行動するということ。

三番目は「共生の輪」。
幸せになるということは自分だけで成せるわけではまずないわけで、周囲のいろいろの人々と共にあるものでしょう。当初は仲間に対する意識のほうが強かったのですが、今は地域社会に対してもそういう行動が少しでも出来るように心掛けています。

実際に、現在「八王子若者サポートステーション」の活動に協力していまして、仕事の実体験をしたいと言う若者の受け入れを始め、今、2名、来てもらっています。「それが社員にとってなんのメリットになるの?」と問われると返答には難しいものがあるんですけれど、メリット・デメリット、これは損得勘定ですよね、でも、それではくくれないなにかがあるような気がすると、私には思えているんです。それはなにか…今だけでなく将来を見つめていくこと、行動してみなくては分からない部分がある…などが思い浮かびますが、まだ、これ以上はうまく表現できません…。

良いことをしている、という自己満足は全くないですけど、彼らの成長になにか寄与できるとすれば大きな喜びです。

「人の輪」「信頼の輪」「共生の輪」、これらに共通した「輪」への思いは、無限(ループ・Loop)、これは我々の仕事のプログラム作成上ではあまり良くない状況なんですが、そういう意味合いではなく、無限記号「∞」から「輪」をイメージしたもので、途切れることなくずっと続いていくことを意図しています。

また、「人の輪」「信頼の輪」「共生の輪」に、それぞれ「勇気ある企業」「安心される企業」「夢ある企業へ」なども付け加えていますが、理念作成にあたって一生懸命考えた文言ですが、自分自身がそうありたい、というか、そういう会社にしたいという願い、ですね。

私は基本的に噂は信じない。自分自身に起きたことで自分が実感したものやいいなと思ったことに対しては、わりと真っ直ぐに受け止めます。

それまでも会社のホームページにメッセージを掲げたことはあるのですが、それを作ってしまうと、どちらかと言うと、そのまま、という状態でした。ほんとに強く理念などを考え始めたのは、ここ3年くらいのことです。そのきっかけは数年前の辛かった体験で、会社として経営者としてどうあるべきかを考え込んだ時に、企業理念と言うものは大切にしなければいけないものだし、社員に浸透させなければいけないものだと切実に感じました。以後、社員にそういうことを話す機会は増やしています。
と言っても、私が日頃話していることや理念は言葉としてはそんなに難しいことではないので、社員にそれがきちんと伝わっているか、実行されているか、そんなところを注視しているというところでしょうか。また、企業理念として話をしていなくても、私の話のベースにはそれがあることは分かってくれているでしょう。

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彼らと『共に』乗り越えた、
その先に見えてきたものは、全然違っていました
大変だった仕事を乗り越えたか、乗り越えられなかったかでは、自分の中に蓄積される経験値はまるで比較にならない

仕事はどこでもなんでも厳しいこと、大変なこともあります。IT業界だからとか、インフィニティループだからということは、どうでしょう、特別なことがあるかな…仕事が「ラク」ということは、どこでもないのではありませんか。

例えば、お客様のところで寝ずにプログラムを書いたりする時は身体はキツイですよ、でもそれは特別なこととも思っていませんし、「私だけどうしてこんな目に会うの…」という思考回路はないです。むしろ、もう一度、ここに来て確認作業をしたいくらいな気持ちでした。やっている最中は肉体的精神的にキツイ・辛い時間もありますが、完成させて、それらが過ぎてしまえば、嬉しさだけがあります。

やっている時は大変だった仕事、それを乗り越えたか、乗り越えられなかったかでは全然違いますね、自分の中に蓄積される経験値というものはまるで比較にならないですよね。

それよりも私的には人前でしゃべるようなことのほうが、“大変”です。けして得意ではないですが、しかしこれも経験ですから、やりますけれども。

社員にも人の前に出てしゃべることはやらせます。自社で出来なければ、外でできませんから、会社での訓練は貴重です。外で人前で発言しなくてはならない場面に出くわした時、「あぁ、会社でやっていて良かったな」とか、「こういう意味があったんだな」と、おそらく感じてくれていると思います。

パソコンと向き合ってする仕事なので、人と関わらないことはないものの、ポジションによっては大勢の人の前でしゃべらなくてはいけないわけです。だからこそ、私は、社内で人前で話すことをさせています。もしかしたら、嫌だなぁと思っている社員もいるかもしれないですけど。でも、きっと役に立つ時がある。

感動したのは、私が大変だった時に、その場ではなにか言ったくれたわけではないですけど、私の状況をよく分かってくれていたことですね。その渦中にいた時は私自身、その精神的な辛さに浸ってはいられなく、手を動かし続けることに非常に忙しかったので、皆がどう思ってくれていたのか、感じる余裕はありませんでした。でも、時間がたって振り返ってみると、あの当時の皆の態度、ありがたかったな、と思っています。彼らは彼らの仕事を持ちながらも、私の仕事を手伝ってくれたりもしました。

彼らと共に乗り越えた、その先に見えてきたものは、全然違っていましたね。
まぁ、辛かった時にあった“いいこと”って、よりいいイメージで残るものですね。

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『社員』が幸せになれば、
私自身も幸せになっていると思うのです
それぞれ求めているものがある、私に出来ることは安心して働いていける環境を作ること

社員のために会社をよりよくしたい、この思いがすごく強いですね。

社員が幸せになれば、私自身も幸せになっていると思うのです。

会社としては近期の売上目標とか、規模拡大などは公言していますが、個個人の社員の達成額や資格取得のことについては社員の中では話題になっているようですが、私は「それぞれが自分の目標を自分で持ってね」と伝えるに留めています。

それぞれ求めているものがあると思いますが、私に出来ることは安心して働いていける環境を作ること、これが一番ですかね。

どういう思いで仕事に取り組んでいるか、これはそれぞれにある、月に1回は飲み会を開き、そういうところでいろいろ話し合います。ある月は会社の経営状況だったり、ある月はお互いになにをしているかが見えにくいので仕事内容の連絡・報告だったり、時にはやっている本人から進捗状況を発表させたり…テーマは毎月変わります。

それぞれ、個性が出ますよ。まぁそういう多様な個性をお互い認識し合っていければいいなと思っています。

入社前に、会社の理念、なかでも「人の輪」ということについて、例えば社員が催すイベントに参加してもらえるかどうかなどは問いますね。また、パソコンを使っていく仕事といえども、最終的には人と人の繋がりだよ、というような話もします。

「人の輪」 「信頼の輪」 「共生の輪」
みんなでこの3つの輪を大切にすることで、みんなが安心して働ける環境を作っていけると思っています。

インタビュー: iPSR株式会社 千原 康裕

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